驚異の1億200万画素! 富士フイルム GFX100Sを初めて使ってみた|APEX Insight - エイペックスインサイト -
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驚異の1億200万画素! 富士フイルム GFX100Sを初めて使ってみた

Saijo

今回は富士フイルムのGFX100Sをご紹介します。このカメラは、ラージフォーマットセンサーを採用するミラーレスカメラ。“ラージフォーマット”という名称に馴染みがない方も多いのではないでしょうか。

“ラージフォーマット”というのは、フィルムカメラ時代に主流だった35mmフィルムよりも大きなブローニーフィルム(120フィルム)と呼ばれるフィルムサイズのことで、大きく引き伸ばしても写真の解像感が損なわれないという特徴があります。また中判サイズと表現することもあります。

そもそも富士フイルムが現在販売しているミラーレスカメラは、APS-CフォーマットのXシリーズと、このラージフォーマットを採用するGFXシリーズ。多くのカメラメーカーがフルサイズフォーマットのカメラを展開する中で、富士フイルムはこのラージフォーマットを採用しています。

富士フイルムといえば、世界で初めてレンズ付きのフィルムカメラ「写ルンです」を発売したメーカー。歴史を紐解くと長くなってしまうので中略しますが、皆さんも馴染みのあるこのカメラを世に広めた、歴史深いカメラメーカーです。

初めてのGFX

実はわたくし、私物のカメラは富士フイルムのX-H2を使ってまして、初めて買ったカメラは中古で買ったX-T3でした。その後すぐX-T4が発表されたというのも苦い思い出ですがX-T3はとっても良いカメラでした。
そして、一生御縁がないだろうなと思っていたGFX。ついにエイペックスレンタルズでも取扱開始ということでこれは触らせてもらうしかないっ……! フルサイズのカメラは日常的に会社では扱っているものの、ラージフォーマットは初めて扱います。

これが1億200万画素のセンサーだ!

GFX100Sと、フルサイズセンサーのソニーα7 IVを比べて見てみました。
横に並べると、確かにでかい!
筐体の大きさもそうですが、やはりセンサーを見比べてもフルサイズのほうが可愛く思えてしまいます。センサーサイズ(43.8mm×32.9mm)は、フルサイズ(36mm×24mm)に比べ約1.7倍の大きさがあります。

焦点距離の計算は一般的にはフルサイズの35mmで換算しますが、APS-Cであれば書いてある焦点距離×1.5倍(キヤノンの場合は×1.6倍)、m3/4であれば×2倍ですが、ラージフォーマットの場合は×0.8倍をすると良いそうです。なのでレンズに表記されている数字よりも少し広い画が撮れると思えば良いでしょう。

腕にくるずっしり感

GFX100Sは本体サイズ150mm×104.2mm×87.2mm、重さはバッテリーとSDカードを含めて約900gというビッグサイズ。
でもこのGFX100S、同シリーズとしては2世代目となるカメラで、親父的存在の「GFX100」というカメラが存在します。GFX100からいいところを残してより実用的に仕上げたのがこのGFX100Sです。先代GFX100よりはかなり軽くなったので、ラージフォーマットのカメラがこんなに小さいボディでと考えたら……、欲しくなってきませんか?

因みに富士フイルムが初めて発売したラージフォーマットのカメラは「GFX50S」というカメラで、この次世代機となるGFX50S IIも今回レンタルで取り扱うことになりました。(この中間にGFX50Rというカメラもありました)

GFX50S IIは、GFX100Sの下位モデルとなるカメラです。
GFX100Sとの違いは、センサーの画素数やAF方式の違い、動画性能や手ブレ補正の強さなどが変わってきます。詳しいスペックは商品ページをご確認下さい。

GFX100SとGFX50S IIと比べてみても、実は筐体の大きさはまったく一緒。デザインも一緒ですが、一箇所だけ区別できる部分があります。

それがこの側面に名称が書いてあるか、ないか。筐体のデザインはこれだけしか違いがありません。

ここからは実際にスタッフが撮影した写真をご紹介します。

撮影してきた

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは実際に私が撮影してきた写真です。
ブログにアップロードする関係で圧縮するため、画質は劣化してしまうので予めご了承いただきたく。

今回持ってきたレンズは、「GF23mmF4 R LM WR」「GF32-64mmF4 R LM WR」「GF110mmF2 R LM WR」の3本。(この日カメラバッグに入った総重量を計算したら約3,7kgも背負っていました……)
今回撮った写真は全てノン現像、無加工の撮って出しJPGです。なにせ1億画素もあるのでRAWで撮るのが怖かったからです(容量的に)。

まずラージフォーマットで撮ると何が違うのかということですが、画素数の大きさだけではありません。センサーが大きいことで1ピクセルあたりの受光量が変わるため、色再現性や階調表現の変化を感じることができます。センサーが大きければダイナミックレンジ幅も広くなるため、黒つぶれ・白飛びがしにくいという特性もあります。

普段富士フイルムのカメラを使っているので操作性は迷うことなく扱うことができます。
富士フイルムのカメラはX-T系のようなクラシカルなダイヤル式デザインもありますが、このGFX100Sは他のメーカーと同じようにモードダイヤルがついているので、他のカメラから乗り換えてもすんなり使うことができそうです。

「GF32-64mmF4 R LM WR」のボケ感もいかがでしょうか。ラージフォーマットは被写界深度が浅いため、ピントが合っている部分はくっきりとシャープに写りますが、なだらかに溶けていくボケ感も見応えありです。撮りたい被写体を際立たせてくれるボケ感です。

GFX100Sの利点として写真の画角を65:24のシネマスコープで撮影できるというのはラージフォーマットセンサーの恩恵。これで撮ると本当に映画のワンシーンのような感覚に陥ります。もちろんGFX50S IIでも同じように撮影できます。

もうひとつGFXで使える機能として「ピクセルシフトマルチショット」という機能があります。

「ピクセルシフトマルチショット」とは、ボディ内手ブレ補正を利用して、センサー位置を0.5画素ずつ動かしながら16枚のRAW画像を撮影し、専用のソフトウェアを使って16枚のRAWを合成処理することで約4億画素の超高精細な画像を生成するというもの。これを使うには三脚が必ず必要になります。

ここで35mmフォーマットと、ラージフォーマットの写り方の比較をしてみましょう。
GFX100Sでは、35mmフォーマットモードという機能があります。対応するマウントアダプターを使用すれば一眼レフ用のレンズも使用することができますが、イメージサークルが小さいレンズの場合ケラレたり減光する場合があるので、この設定を変更することでカメラ側がクロップしてくれる機能です。

左がラージフォーマットの4:3、右が35mmフォーマットモードの3:2の写り方の違いです。設定を変更するとこのようにクロップされて撮影されます。

1億画素の綿密な描写は葉の一枚一枚まで立体的に写してくれます。影になっている部分も黒つぶれすることなく拡大するとしっかり見えます。いやはや、さすがラージフォーマット。

GF110mmF2 R LM WR

GF110mmの写りも確かめてみたいと思います。GFX100Sに最初に搭載されたフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」を使って、ノスタルジックな雰囲気を撮影してみたくなりました。

柴又という町はノスタルジックという言葉がよく合います。

35mm判換算で約87mm相当、中望遠で切り取る被写体の奥行き感。ノスタルジックネガの淡い色合いで非常にドラマティックな写真になりました。
個人的に富士フイルムの色味は標準色と言われているPROVIAが一番好きなのですが、たまにこうしてフィルムシミュレーションで遊んでみるのもおつなものです。

今度は場所を変えて夜の街を撮りにいってみました。

こういったカメラはマニュアルフォーカスでガリガリとピントを合わせていくようなイメージがありますが、このレンズはリニアモーターが内蔵されていて、音も静かで素早くピント合わせができます。夜の撮影なので、1億200万画素もあれば多少ブレてしまうのかなと気にしていたのですが、カメラ本体の内蔵手ブレ補正もあるため手持ちでもバシバシと撮ることができました。

上の写真ではISO6400まで上げて見ましたが、目立つノイズも少なく夜のスナップでも問題なく使えそうです。背景の玉ボケも美しく、夜のポートレートにもいいのではないでしょうか!

出てくる画はやっぱり富士フイルムの色味

今回GFX100Sを初めて使ってみましたが、富士フイルムのカメラが作り出す色味が好きな方は一度は使ってみてほしいカメラだと思います。Xシリーズを普段お使いの皆さんも、いつもの色味でこの階調表現豊かな写真が撮れるだけで一考の価値ありではないでしょうか。使ってみると思わず「うおっ」と声が出てしまうはずです。

エイペックスレンタルズでは、富士フイルムのカメラのラインアップを増強中! ボディ・レンズともに潤沢な在庫を保有していますので、ぜひお問い合わせ下さい。

記事を書いたひと
Saijo
Saijo
Saijo
APEXレンタルで機材担当をしているApple信者です。 過去に某ITメディア編集部でWebディレ(アシ)経験あり。かたわらYouTube動画の企画・編集などをしてました。 主にカメラ、パソコン関連の記事を書きます、仕事では機材全般さわっています。
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