映像音響周辺機器

HDMIケーブルを延長して離れた場所に出力する方法(機材編)

カメラレンタルのAPEX RENTALSです。

「HDMIケーブルを延長して、離れた場所へ出力する場合、どのように伸ばしたらいいでしょうか」

お客様からお問い合わせ頂く内容で、このようなご質問をいただくことがあります。
広い会場や離れた部屋への映像出力、市販で売っているHDMIケーブルでは長さが足りなくて十分に伸ばすことができないですよね。ましてや10m以上のHDMIケーブルは値段もそれなりにするので導入するのも簡単にはいきません。

そもそも、HDMIケーブルは10m以上伸ばすことができるのでしょうか?
巷では大体10mが限度とも言われているのですが、HDMI規格として特に制限されている長さはないようです。
ただ、10m以上の場合だと安定した信号を伝送することはできないのが現状です。

でも長いHDMIケーブル取り扱ってますよね?

はい、弊社では長距離に対応したHDMIケーブルとして、20mと30mをご用意しています。
この20m以上のケーブルは特殊なイコライザーをつけることによって、映像信号の強度を調整しています。また、インプット側のUSBポート付きのアダプターを使用することで、足りない電力を補っています。

特殊な加工を施した製品なので、これ以上の長さを確保したい場合には別の方法を模索しなければなりません。

2022年8月追記:現在イコライザー付きのHDMIケーブルの取り扱いはございません、代わりに光ファイバーのHDMIを取り揃えております。

カメラ映像をHDMIからSDIに変換して距離を延ばす

BNCケーブル(同軸ケーブルとも言います)は高周波伝送における損失が少なく、電気通信用として主に使用される長距離伝送用ケーブルです。出力インピーダンスとして50Ω(オーム)と75Ωの2種類がありますが、弊社で取り扱っているのは75Ωのケーブルです。テレビ信号の伝送で使われるのが主に75Ωケーブルです。

BNCケーブルには太さの違いがある

上が5c、下が3c

弊社で取り扱っているBNCケーブルは3c、5cと太さの違いがあります。(7cというのもあるみたですが取り扱いしていません)
5cは3cより芯の銅線が太く、音声や映像信号が3cより減衰しにくいという特性を持ちます。簡単にいうと、5cのほうが太くて強いです。
高画質な映像や音声ほど高周波になるので減衰量も高く、太いケーブルを使う必要があります。5cのケーブルは、長距離の伝送を行ったとしても映像や音声が途切れたりノイズが発生しにくいなどの利点があります。

ですが太くなるぶん、可動性が弱くなるので曲げにくかったり、取り回ししづらいという欠点もあります。

SDI信号

業務用カメラやモニターにはSDI信号を入出力する端子が備わっているものがあります。
SDIとはシリアル・デジタル・インターフェースといい、放送や映像業界ではよく使われるインターフェースです。入力端子部分にBNCコネクタが使われているので、接続したときにロックをかけ、ケーブルが抜け落ちない機構になっています。

蓋には「SDI OUT」の文字が必ずあるので、SDI OUTが備わっているカメラを選びましょう。カメラによっては、同じような端子で「VIDEO OUT」と書かれているものもありますが、これはアナログ信号なのでSDIではありません。

SDIの種類

SDIにはいくつか種類があります。ざっと集めてみてもこれくらいありました、覚えるのが大変かもしれません。

・SD-SDI 480i(NTSC)/525i(PAL)対応
・HD-SDI 1080i対応(1080i59.94, 720p59.94)
・3G-SDI 1080p対応(1080p59.94)
・6G-SDI 4K解像度対応(4K 29.97p)
・12G-SDI 4K解像度対応(4K 59.94p)

現状、主に使用されるのがSD-SDI、HD-SDI、3G-SDIの3つかなと思います。
前述で説明した同軸ケーブルの太さによっても対応する長さに違いがありますが、主にSDで500m、HDで200m、3Gで100m、12Gで70mほどの伝送が可能という指標はあるようです。※因みに以前弊社で3cケーブルを使い1080pの映像を伸ばしてみたところ、80m程度までが限界でした。

なのでHDMIよりもより長く、遠くまでケーブルを伸ばしたい場合には、BNCケーブルを使ってSDIで入出力を試すほうが良いと考えます。

こういったコンバーターを使用することで、入力をHDMIからSDIに変換して伸ばすといったやり方も可能です。また、コンバーターを使用することで入力時に補償(ブースト)される仕組みになるので、距離を伸ばしたい場合はコンバーターを間にかますことも有力です。

【コンバーター レンタルラインアップ】

ミニコンバータ HDMI to SDI 6G
ミニコンバータ SDI to HDMI 6G
ミニコンバータ SDI to Analog
ミニコンバータ Analog to SDI
ミニコンバータ HDMI to SDI 4K
ミニコンバータ SDI to Analog 4K
ミニコンバータ SDI Distribution 4K

カメラ映像をHDMI信号のまま電波(無線)で飛ばす

もう一つの方法としてはWi-Fiを使って無線で映像を飛ばすといった方法があります。

遮蔽物がない場合、最大で50mまでの伝送が可能となっていますが、見えない電波ですので安定はしないと考えて使っていただくほうが無難ではあります。建物の構造によっても、うまく電波を跳ね返さない場合があり、映像が途切れたりうまく受信できない場合があります。邪魔なケーブルを取り巻く環境がいらない分、撮影者としてはフリーに扱える商品です。

光ファイバーHDMIで長距離伝送する方法

4K 60pの映像とダイナミックな音を出したいなら光ファイバーケーブルを使うのがおすすめです。
通常のHDMIケーブルよりもケーブルが細く、長距離でも減衰しない光信号で綺麗で高画質な映像を出力することができます。

弊社で扱っているのは10m、20m、30m、50mの3種類です。

ご覧いただいた内容が、映像をより遠くに伸ばすために必要な機材の組み合わせです。場所や環境によって機材の使い方も変わりますので、わからない場合はぜひ当社までご相談下さい!

実際に接続した実践編の記事はこちら

HDMIケーブルを延長して離れた場所に出力する方法(実践編)以前寄稿したこちらの記事が好評でしたのでもっと実践的な記事を頼むってことで、今回は実際にどのような機材を使用して、どのように接続すれば映...
この記事もおすすめ