カメラ基礎講座

動画でわかる!レンズの「ブリージング」についてのまとめ

こんにちは、カメラレンタルのAPEX RENTALSです。

「ブリージング」
普段から写真を撮られている方でもあまり聞きなれない言葉ではないかと思われます。
一眼レフを触り始めて7年近く経つ私もつい1年ほど前に気づき覚えたばかりの現象です。

一眼レフカメラのレンズ「Canon EF28-135mm」をチェック中、2m先の被写体をテレ端の状態でとっているにも関わらず、思ったより寄った画が撮れなかったことがきっかけでした。「テレ端なのに全然寄ってくれないな、これは故障か」と思い検証すべく試しに全く同じレンズで試したところ同じ挙動を示したため、これは故障ではなく「インナーフォーカスレンズ特有の正常な現象」であることがわかりました。

今回はこの「ブリージング」という現象についてまとめます。

ブリージングとは

短刀直入に申し上げます、「ブリージング」とは……「フォーカスを動かす際に画角が変化する現象」をさします。

文章だけ書き連ねられてもしっくり来ない方がほとんどかと思われますので、検証動画を撮影しましたのでご覧になってみてください。

検証動画1

※フォーカスリングを最短撮影距離⇔無限遠で往復させています。

ズームレンズは一切動かさず、フォーカスリングのみ動かしているのにも関わらず画角が変化しているのがおわかりいただけましたでしょうか。
近距離での高倍率ズームレンズ撮影の際に顕著に現れる現象ですが、単焦点レンズでも発生します。

ブリージングを発生させてしまう「インナーフォーカス」という技術は、AF速度を上げるためにレンズ内部の大きいレンズ部分ではなく、中にある光学系部分を動かすことでピントを合わせるというもので、「レンズ自体を軽量化・小型化できる」「フォーカスの際にレンズの長さが変わらないため、重心移動が少ないためバランスをとりやすい」等のメリットを持ちます。

「ブリージング」についてタムロンHPのFAQではこう説明されております。

Q.近距離撮影をすると画角が広く映るのですが、異常ですか?
A.レンズの焦点距離は無限遠の撮影距離を基準としており、このような無限遠撮影時の画角は他のレンズと同等であるため、異常ではありません。
近距離撮影での画角変化はフォーカス方式によって差があり、インターナル・フォーカス(IF)方式を採用したレンズは画角が広く写ることがあります。
https://www.tamron.co.jp/faq/products/

 

当ブログのはじめにご紹介した「Canon EF24-135mm」のレンズ使用時、テレ端でも倍率が小さく感じたのはこの「ブリージング」が原因なのです。
上記記載のように、レンズの焦点距離は無限遠時の撮影距離を基準とされているため「遠距離撮影では」問題なくレンズ倍率をフルに使用できるのですが、高倍率ズームレンズ等のブリージングが顕著なレンズを「近距離撮影で」使用する場合は注意が必要です。
例えば、ピント位置を変えるたびにズームの調整や撮影する位置の調整が必要となる、撮影距離によっては倍率が足りず寄りきれない等、便利な高倍率ズームレンズには落とし穴があります。

しかしながら、ブリージングに強い高倍率ズームレンズというものも存在します。
次回のブログの予告も兼ねましてもう一本動画を撮影してきました。ご覧になってみてください。

検証動画2

※フォーカスリングを最短撮影距離⇔無限遠で往復させています。

いかがでしたでしょうか? フォーカスを変えてもほぼ画角の変化がないことがお分かりになりましたでしょうか。
次回は「ブリージングに強いレンズ」についてご紹介します。お楽しみに。

わかりやすく30秒くらいにまとめた動画もどうぞ。

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