ミラーレス

Nikonの新世代カメラ「Z7」のご紹介

2018年末、ついにNikonからフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼が誕生しました。
新マウントを採用した「Z7」と「Z6」。
続くように他社からもフルサイズミラーレスカメラが発売され、時代は本格的にミラーレス化へと大きく舵を切ったように感じます。

そこで、今回はNikonが満を時して発表した初のZマウントカメラの第一弾「Z7」をご紹介します。

Zマウントとは?

Zマウントとは、ニコンが発表した新マウントになります。
Nikonは60年前からずっとFマウントを採用してきました。
長い歴史の中でマウントを変える機会は幾度となくあったのでしょうが、これだけ長く続いたのはFマウントが優れたマウントであり、また長い歴史の中で生まれた銘玉を長く使い続けて欲しいというメーカーからユーザーへの配慮かもしれませんね。
こういったところがユーザーとの信頼関係に繋がっているのだと思います。

さてさて、そんな歴史あるマウントから1歩踏み出して今回ミラーレス向けに新しく開発されたZマウント。
今までのマウントとは開発条件が変わっているので、より高性能なレンズやカメラの開発が期待できます!

Z7のスペック紹介

それでは、さっそくZ7を触ってみましょう。
まず手に持った印象としては、さすがはフルサイズ機。中身がギッシリ詰まったしっかりとした重さを感じます。
手軽でコンパクトなミラーレスカメラを想像している人にとっては少し重たく感じるかもしれませんが、フルサイズデジタル一眼レフのD850の1005g(バッテリー込)と比べればこちらは約半分の675g(バッテリー込)なので、決して持ち歩きにくい重さではありません。
NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを装着してもバランスよく使用できます。

高画素が生み出す圧倒的な解像度はさすがの一言

Z7のスペックを見て真っ先に目を引くのはフルサイズセンサーの中でも高画素な4575万画素という事。
これはD850と同じ画素数です。
D850は弊社でも過去に特集でご紹介したことがありますが、驚くほど解像力の高い写真を吐き出す怪物のようなカメラでした。

そしてD850同様、Z7で撮影した写真は一目見ただけで分かるほどに物凄く解像力の高い写真が撮影できます。
大きな画面で見れば当然その迫力に圧倒されますが、カメラの液晶モニターで見るだけでも解像力の高さを感じるのはさすがです。


拡大して見ても葉の表面のざらつきや花の立体感が全く崩れる事無くとても綺麗です。

快適なオートフォーカスとビューファインダー

像面位相差式とコントラスト式のハイブリッド式AFは、とても静かで早いです。

そして、長く一眼レフを使用していたユーザーにとってはやはりファインダーを覗いて撮影したいという方も多いのではないでしょうか。
ミラーレスカメラはEVF(電子ファインダー)の為、光学ファインダーとは異なりファインダーでも映像を覗くことになります。
昔のEVFのイメージだと、どうしても映像の荒さやピントの合わせにくさ、表示のタイムラグ等もあるので敬遠したい印象がありますが、Z7のEVFはとにかく綺麗でレスポンスも早いです!
「どうせEVFは・・・」と思っている一眼レフユーザーはきっと驚くと思います。(かくいう筆者も一眼レフユーザーの為、ファインダーを覗いた時は驚きました・・・!)
もちろん光学ファインダーとは異なり「映像」という印象はありますが、ファインダー撮影でも一眼レフと遜色ない使用感で撮影ができました。
高速な被写体では試していないので、あくまで日常使用の感想になります。

試しに菜の花で蜜を吸う蜂を狙ってみました。
被写体が小さく狙いにくかったのですが、花への合掌が素早かったおかげで綺麗に撮れました。
シャッタースピードが足りず蜂が少しぶれてしまいましたが、拡大しても細かい毛並みがきちんと見えています。
解像度が高いおかげで蜂の部分だけトリミングしても実用写真として十分使用できそうです。

また、街中の夜間撮影時にもEVFや液晶で見ている映像に大きなタイムラグは感じません。
ただこれはミラーレス全般に言える事なのですが、デジタルに変換された「映像」なので一眼レフの光学ファインダーと比べると暗所では映像に多少ノイズが目立ちます。

※もちろんノイズがあってもピントはきちんと合わせられます。
ここは光学ファインダーに慣れた人にはやはりまだ少し気になるポイントかもしれませんが、光学ファインダーでも夜間はピントが確認しづらいものなので、その点多少ノイズがあっても拡大表示などができるEVFは慣れてしまえば非常に便利だと思います。

高解像度撮影に耐えうる強力な手振れ補正

Z7はボディ側にセンサーシフト式の手振れ補正機構が搭載されています。※補正効果は約5段分!
レンズ内手振れ補正では補正しきれなかった5軸方向の振れに対応している為、多少の振動や動きでも動じずに補正された画を見ながら安定した撮影が可能です。
高解像度の影響でぶれやすいかな?とも思いましたが、夜間に1/2秒ほどで手持ち撮影をしてみたところ、物凄く細かい部分が少しだけぶれていますが、全体的には問題ないレベルように思えます。

手振れ補正の効果を見る為、絞りF11、シャッタースピード1/2秒、ISO1600で撮影してみました。

拡大すると画面右下、細かいラインが少しぶれていますが全体図で見れば気になりません。
もっと攻めて撮影しても良かったと思います・・・。

多彩な画作り機能

Zシリーズには【クリエイティブピクチャーコントロール】という20種類の色設定ができるようになっており、撮影意図に合わせて様々な色味の設定ができます。
最初はZ7のユーザーだと撮影時に極端な色設定はあまり使用しないのでは?とも思いましたが、使ってみるとこれが結構面白いです。
各色設定の中でも階調等細かくいじれるようになっております。
後ほどいくつか作例としてもご紹介したいと思いますが、プロが使うような高性能カメラなのに『ただ綺麗な写真を撮る』というだけではなく遊び心があるといのは、写真を撮る楽しさを改めて感じさせてくれます。


もちろん上記以外にも色設定があります。

今までのFマウントレンズとの互換性について

新マウントに変わった時に注意しなくてはいけない事といえば、今までのFマウントレンズをそのまま使用する事ができないという事。
同じNikonだからと言って今まで保有していた一眼レフ用のレンズはそのまま使えませんので、ご使用する為にはマウントアダプターが必要になります。
もちろん当社で取り扱いがございますのでご安心ください。

AI NIKKOR以降のレンズでAE撮影が可能、モーター内蔵のAF-P、AF-S、AF-IレンズでAE/AF撮影が可能となります。

もう1歩頑張って欲しい

さてさて、ここまでカメラの良い部分をご紹介してきましたが、もちろん気になる部分もあります。
まずは記録カードがXQDカードしか使用できないという事。
XQDカードは大容量のデータの高速転送が可能ですが、SDカードに比べて汎用性も低くカードリーダー等もお持ちでない方が多いと思います。
当社レンタル商品には64GBのXQDカードが付属しており、また追加のXQDカードレンタルも承っておりますので、レンタル機材だけで撮影をされる分には問題ないかと思いますが、「自分のカードで記録をしたい!」という方にとっては少し扱いづらいところですね。

また、カードが1スロットしかない為、失敗が許されない現場での撮影や万が一のデータコピー用にダブルスロットが必要という方にとっては少し躊躇してしまうポイントかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか。新しいカメラなので、書ききれないくらいの情報量をもっていて簡単なご紹介しかできませんでしたが、とにかく高性能で高画質な凄いカメラであることに違いはありません。

一方で、新マウントの第1号という事もありまだまだ改善点も見られるように感じます。
その為、まだ購入を躊躇されている方も多いと思いますので、そういう時こそまずは一度レンタルで試してみてはいかがでしょう?
5月にはファームウェアの更新により瞳AF(瞳を自動認識してAFを合わせてくれる機能)にも対応予定です。
既にCP+2019にて先行して実機体験が行われており、筆者も触ってきましたがとても優秀でしたよ。

「Z」というアルファベットには、「これより上位のものは存在しない。最終・最高・究極」などの意味があるようです。
新マウント名を「Z」と命名したNikonの並々ならぬ自信を感じさせる意欲作です。
Nikonユーザーの皆さんも、他社ユーザーの皆さんも、Nikonの未来を背負ったZシリーズ、是非ご利用してみてください!!

作例紹介

【使用機材】
■Nikon ミラーレスカメラZ7
■NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Nikon Z7

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