カメラ基礎講座

カメラのフォーカス合わせ方【カメラ初心者のための基礎講座】

カメラレンタルのAPEX RENTALSです!

デジタルカメラの楽しみのひとつとして、手前の被写体にフォーカスをあわせて背景をぼかすという撮り方があります。レンズの開放F値が小さいほど、ふわっとした背景ボケをさせることができますが、思ったところにフォーカスが合わなくて四苦八苦してしまう方もいるのではないでしょうか。

猫ちゃんにピントをあわせたかったのに、地面に合ってしまった例

今回はそんな初心者の方のための、フォーカスの上手な合わせ方について解説していきましょう。

オートフォーカス・マニュアルフォーカス

カメラには自動でフォーカスを合わせてくれるオートフォーカス(以下AF)と、手動であわせるマニュアルフォーカス(以下MF)があります。

AFは非常に便利で、カメラが自動でフォーカスをあわせてくれます。最新のミラーレス機にもなると、人物の目だけにAFをあわせて追従してくれるものもありますね。ですがカメラが合わせるフォーカスポイントと、自分が合わせたい部分が違う場合はMFで操作する必要があります。

切り替えスイッチはレンズについているものもある(ボディ内で設定変更も可)

マニュアル操作ってどんなときに使用するの?

周囲が暗くてAFが合わない、奥にいる動物にあわせたいのに、手前の檻にピントが合う……そんなときはMFを使用してあわせてみましょう。
被写体の明暗差がはっきりとしない場面はAFが苦手とする場面なので、MFで調整する必要があります。

AFモード

AFモードにもいくつか種類があります。

  • AF-S(AFサーボ)

シャッターボタンを半押ししてピントをあわせます。半押ししている間はピントを固定し続けます。
静止した被写体に適したAF設定ですが、ピントが合っていなければシャッターが切れません。

  • AF-C(コンティニュアスAF)

シャッターボタンを半押ししてピントをあわせ続けます。
動く被写体に適したAF設定ですが、ピントが合っていなくてもシャッターを切ることができます。

  • AF-A(AF自動切り替え)

AF-SとAF-Cを組み合わせた機能です。一部の機種には搭載されていたりします。

AFエリア(フォーカスエリア)

ピントの範囲をあわせる設定です。代表的なものだとこのようなものになります。
メーカーによっても呼び方や、種類が違ってきます。

  • 1点AF(任意選択)

任意で選択した1点にフォーカスをあわせます。

  • ダイナミックAF(任意選択)

選んでいる1点のフォーカスポイントとその周辺のフォーカスポイントを合わせて被写体にピントをあわせ続けます。領域拡大AFやスポットAFと書かれている機種もあります。

  • オートエリアAF

センサーの対応する測距点の全範囲を利用したAF方法です。カメラが自動で判断した部分にフォーカスをあわせます。

他にも被写体の目を認識してトラッキングするトラッキングAFなど、カメラの性能によってモードが異なる機種も存在します。

被写体によってAFモードを変えてみる

静止している物体

画像:Pixabay

風景や料理など静止している物体に対しては、AFモードをAF-S、AFエリアを1点AFにして、フォーカスを当てたい部分に合わせてみましょう。被写体が動かないので、ピントをしっかり確認しながら撮影しやすいです。

動いている物体

画像:Pixabay

動物や子供、自動車など、動いている被写体に対しては、AFモードをAF-C、AFエリアをダイナミックAF、あるいは目線に合わせる場合はトラッキングAFなどを使用しましょう。被写体の動きが速い分、シャッタースピードを遅く設定するとブレブレの写真になってしまうので注意です。

スナップやポートレート

画像:ぱくたそ

旅行のスナップ写真や、人物撮影のポートレートを撮る場合は、AFモードをAF-C、AFエリアをオートエリアAFにして、カメラの性能にまかせてフォーカスをあわせるといいでしょう。最新のミラーレス機などでは、人物の瞳にAFをあわせる瞳フォーカス機能を使うと便利です。

フォーカスの合わせ方

実際に撮影する場面で、フォーカスをどの位置に合わせるか、ニコンのZマウント機を例に写真を撮ってみました。

オートエリアAFを使って、スカイツリーを中心に、その周辺のビルにフォーカスをあわせてみます。オートエリアAFの場合はカメラが自動でAF範囲を決めてくれます。緑の線がAFで合わせてくれている部分です。

路地のほうへカメラを向けてみます。オートエリアで左右の柱が主題となるようにフォーカスを当てた場合と、奥にある門にピンポイントAFでフォーカスを当てた場合の写り方の違いです。

フォーカスを当てた部分のピントはピッタリです。左の写真は柱にフォーカスしたので奥の門はすこしぼやけています。ニコンのZレンズの場合は写真の端から端まで全体的に綺麗に映るため、あまり気にならないかもしれませんが、開放値をしぼるともっと顕著に現れるかもしれません。

スズメがいいところに来たのでスナップ。動く被写体はフォーカスモードをAF-Cにすべきですが、急いで撮ったのでダイナミックAFでスズメに合わせました。あと動きの速い被写体はシャッタースピードをできるだけ上げましょう。筆者はそのことを忘れてて何故か1/20になってました……。

結果、こうなります。

 

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